期待して読んでみたものの、正直、思ったより得るものはなかったような気がします。
5人の著者がそれぞれ持論を展開して、それぞれを1冊にまとめてみました、くらいかな。
著者の皆さんはすでにそれぞれ関連する著作を出されている方ばかりですし、著者ごとに著作を読んだ方がいいのかなと。

あとがきでふれられている会合に、沖縄から私も参加したので(その会合には著者5人のうち佐々木さん以外が講師として招かれていました)、会合の内容を思い出しながら読みました。

読むべきところが一番多かったのが、森健さんの章でした。
やはりすでに「グーグル・アマゾン化する社会」を出しておられるので、詳細はそちらを読んだ方が理解が深まると思いますが、ウェブの中の情報のありようについて「複雑系ネットワーク」を通して、実はインターネット上だけではなく、産業から自然科学までいろんな分野で「富めるものはますます富む」現象があることが書かれた章はよかった。

で、やっぱり相変わらず業界の展望は見えてこないわけですが、「優れた特性を持っていればあとから参入した場合でもハブの地位を獲得できる」ところが唯一の救いでしょうか。

「見られるために」「読まれるために」どこまで真摯に取り組んでいけるかな。自戒を込めて。