書名がなかなかアレなので、書評を書くつもりはほんとはなかったんだけど、意外といいこと書かれてるなと思ったのでメモ。

全体を通して感じたのは、文章を書くことに対して真摯に向き合っているなということ。
最初に心得から始まり、初級・中級・上級編ときて、ノウハウやQ&A、参考文献とコンパクトにノウハウが詰まっていて、帯にも「こんなに手の内を明かしていいのか、オレ(笑)」とあるとおり、余すところなく文章術についてクールな筆致で熱く語っています。

ダメな文章について、なぜダメなのか第3章で解説されているのですが、一般人の文章から学者、役人の文章、メールや社内文書、技術マニュアルまで広く例示されていていろんなタイプの読者にフィットします。「ネタを万人向けに変奏する」を自らも実践していますね。

有料メルマガ「ガッキィファイター」を2002年10月から発行されていて、それを通じて通販もされているそうですが、その恩恵なのか、「読む人のことを考えて書くこと」「どう書けばどのくらい売れる」を体得されている感じがします。まあ、その域に到達するまでどんな道筋だったかも書かれているわけですが、書名にひっかかって「すぐに稼げる」と思った私は浅はかでした。

買ったときには失念していたんですが、「そして殺人者は野に放たれる」というルポも書かれてますね。買ってあったのに積ん読だったので、次はこっちを読むことにします。

なかなかオススメ。

《目次》
第1章 「どう書くか」より「どう読まれるか」
第2章 「初級編」こんな悪文を反面教師に
第3章 「中級編」実務文はこう書けば生まれ変わる
第4章 「上級編」ネットで生き残る智恵
第5章 発想の訓練法
第6章 こうすれば稼げるQ&A
第7章 文章で稼ぐための必読33冊