最近、広告にまつわるお話を違う業種の方から聞く機会が多かったのと、積ん読状態だったので一気読み。
広告の本にありがちな横文字たくさんな文章ではないので、すんなり読めた。
お客さんのことをよく考えて書かれているなあw
新聞(マス媒体)が厳しい状況におかれてることには違いないんだけど、いたずらに悲観するのではなくて、素直に現実と向き合ってきちんと対応策を考えてコツコツ実行していかないといけないのだよな、たぶん。
だけど、現状は旧来のビジネスモデルにあまりにも凝り固まってしまってなかなかそこから離れられない。
表題を「明日の新聞」って入れ替えてもそのまま通用する内容だ。
読み手が変わったということに気づかないでいると、どんどんお客さんは離れていく。
中立とか公平・公正も大事なんだけど、読んでもらおうと思って作らないとやっぱり読み手には響かないんじゃないかと思うのだよなあ。
「広告=金儲け→嫌儲」とか思っていたのはどうやらそうでもなさそうということがちょっとずつわかってきた。
もっといろんな人と話をして落としどころを探していかねば。
君が人を好きになった時に取るべき最善の方法は、その人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳をすますことだ。そうすると、君はその人が自分の思っていたよりも単純ではないことに気づく。極端なことを言えば、君はその人のことを実は何も知っていなかったのを思い知る。
金城一紀著『映画篇』より
本の扉から。
著者の佐藤さんのサイト。
www.さとなお.com(さなメモ)
沖縄にもよくいらしてるのかな。沖縄の食べ物にもずいぶんくわしいなあ。
一度お会いしてお話うかがってみたい。
<目次>
はじめに ~「なんだか小難しい時代になっちゃったな」とお嘆きの貴兄に
第1章 消費者へのラブレターの渡し方~広告という名の「口説き」の構造
広告は消費者へのラブレター
ラブレターを普通に受け取ってくれていた時代は楽だった
いまやラブレターを受け取ってさえくれない
モテない人はどうやってラブレターを渡せばいいか
もっと相手をよく知り、しっかり手渡しする
ラブレターは渡したあとも大事
購入後にこそ、ブランド・イメージができる
軽いつきあいと重いつきあい
自己変革でモテを目指す
ラブレター職人で本当に満足してる?
第2章 広告はこんなにモテなくなった~変化した消費者と広告の20年
広告がモテていた古き良き時代
CMという「部品」への疑問
インターネットの出現
消費者の逆襲としてのインターネット
ヨコでつながり、ボトムアップする
ネットとは、商品の真の姿を映し出す「ラーの鏡」
ネットの出現+情報洪水+成熟市場
疑い深い消費者の登場
もう消費者はお茶の間にじっとしていない
「友達・好きな人・信頼できる人」という強力なメディア
消費者の発信が世の中を変え始めた
広告は素人投稿ビデオに勝てるか
受け手から送り手へ。ターゲットからパートナーへ
消費者は変わった。広告も変わらないと!
第3章 変化した消費者を待ち伏せる7つの方法~彼らと偶然を装って出会うために
気まぐれにメディアを渡り歩く消費者をどこで待ち伏せるか
(1)消費者のコンタクト・ポイントで待ち伏せる
(2)新しいメディアを創って待ち伏せる
(3)クチコミを利用して待ち伏せる
(4)CGMで待ち伏せる
(5)エンターテイメントの中で待ち伏せる
(6)検索結果で待ち伏せる
(7)メディアをニュートラルに考えてクロスに待ち伏せる
これらすべてを使ってコミュニケーション・デザインする
第4章 消費者をもっともっとよく見る~コミュニケーション・デザインの初動
その人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳を澄ます
消費者本位という視点
「伝えてもらいたがっている人」のことをリアルに想像する
あるクルマの話
初動で徹底的に消費者を分析すること
F1M1なんていう消費者はいない
高校生=モバイル?
買いたい人を作り出してしまう
第5章 とことん消費者本位に考える~スラムダンク一億冊感謝キャンペーンより
スラムダンク一億冊感謝キャンペーン
それはこんなオリエンから始まった
星野仙一「阪神優勝感謝広告」との違い
「ありがとう」を伝える相手に目を凝らし、耳を澄ます
もうスラムダンクは井上さんのものではなく、彼らのものだ
キャンペーンは自然とメディア・ニュートラルになっていた
めちゃめちゃ閉じた新聞広告
めちゃめちゃ不親切なウェブサイト
めちゃめちゃ限定して告知したイベント