『4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する』

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どちらかといえば、見るのは野球よりもサッカーのほうが好きなんですが、どうも観戦のポイントがいまいちわかってないよなーとは思っていたので何かのヒントになればと購入してみた。

当たりだった。

ルールやポジション、布陣についてはある程度わかってはいるつもりだったのだけど、「絶対に負けられない」ばかりいうメディアに洗脳されていたかがよーくわかりました。もっとも、サッカーについて書かれた本をまともに読んだのも初めてだったりするので、サッカーに詳しい人の評価も見てみたいところではある。


欧州サッカーについてある程度知っているとより楽しめる内容だと思う。読み始めると一気に引き込まれた。

「ほお」

「ほほお」

「ほほおおおおおーーー!!」

と、脳内でうなずくことしきり。
サッカーの布陣って、こんなに勝敗に影響する要因だったんだ。
能力の高い選手をいかに集めることができるか、ピッチにいる選手が自身に割り当てられた役割・ポジションをこなせるかの方が重要だと思ってた。

優勝候補が順当に勝ち進めたゲームよりも、番狂わせの方に着目して解説されてるのもなかなか楽しい。
トルシエ以降の日本代表についても、セルジオ越後っぽいただの辛口じゃなくて、論理的な分析がされていて2002年、2006年のW杯のときに感じたモヤモヤを解消してくれた。

前回W杯の惨敗から3年、もう次の2010年南アフリカW杯のことしか日本中が頭にないけど、過去から学ばないチームによい結果は訪れないのではないかな。
アジアではそこそことか思ってる時点でたぶん負けなんだよなー。オランダみたいに「小国がジャイアントキリングを達成するためには何が必要か」みたいな割り切りとか、メディアがさかんにいう日本代表の「決定力不足」はなぜそうなっているのかとか、基本的な分析とか議論が欠けているような気がする。

読んだ後、ゲーム中のピッチを高いところから縦に見たい衝動に駆られた。っていうか、やっぱり生でみたいよなー、と。
テレビで見るのはほとんどピッチを横から見てるし、見下ろすような画面が続くのってなかなかないですよね。ボールから遠いところにいる選手の動きとかわかりにくい。

とりあえず、DVDに保存しておいたEURO2008でも見返してみるか。見る側ももっと勉強しないとね。
UEFA EURO 2008TM サッカー欧州選手権|WOWOW ONLINE – skurima.com

《目次》
サッカーは布陣でするものか、否か
番狂わせは、弱者の工夫なしには生まれない
4列表記の誕生
アリゴ・サッキの「プレッシングフットボール」
ブラジルがドイツワールドカップで負けた理由
攻撃サッカーのルーツ、オランダ
ファンタジスタは布陣を嫌う
サッカーは布陣でするもの、ではない?
そのとき、ジダンは後悔したか?
4-2-3-1か、3-4-1-2か
トルシエはなにがしたかったのか?
ヒディンクコリア
日本代表、空白の8年間
布陣が選手を育てる
敗戦からなにを学ぶべきか
ジャイアントキリング
負けるべくして負けたジーコジャパン
オシムが目指したサッカー

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