帯に「インターネットの登場で、情報はすべて『すぐ手の届くところ』にある。」なんて書かれてるので、ネットに明るくない人向けの入門書みたいな「ネットって、検索エンジンってすごいんだぞー、あんなことこんなことできちゃうんだぞー」みたいな内容を想像しがちなんですが、もちろんそんなことはないです。
タイトルにもあるとおり「私の方法」なので、どの場面にも通用する方法論ではなく、「自分にとっては未知の、あまり明るくない分野の情報を効率よく収集する」というある程度対象をしぼって調べ物をするときの佐々木さんのやり方が書かれています。
ということは、「文章を書いてそれを職業にしている人がどうやって情報収集してるか」ってことですね。いくらインターネットでも、何でもかんでもタダで入手できるということではないんですね。
「少子高齢化」というキーワードからある程度のまとまった調査結果を出すまでに、自らの新聞記者時代を交えながら、収集のプロセスを詳細に記述されています。
- インターネットのソースは大きくは4つ
- クオリアをすくい上げる
- 偶然を引き寄せるマジック「セレンディピティ」
とか私のアンテナにはピピっとくるものばかりで、ぐいぐいと読めました。
昨日の出張の往復の機内で読了。
収集のプロセスのところで、ここは違うんじゃないのと思ってもとりあえずそのまま読み進めば、体感できる部分が少なからずあると思います。
うちの社内にも紹介したいけど、袋だたきにあいそうで恐いのでやめときます(笑)
新聞記者時代にどうやって仕事をしていたかということもわりと詳しく書かれているので、一例ではありますが新聞記事の取材から掲載までのプロセスを知るにもこの本はけっこう使えます。