お昼のニュースで米メディア大手のトリビューンが、米連邦破産法11条の適用を申請したと報じられてました。(同社のプレスリリース:Tribune Company to Voluntarily Restructure Debt Under Chapter 11)
トリビューンは新聞発行部数800万部で第3位、chicagotribuneやLos Angeles Timesの他に放送局も抱える主要メディアグループ。
NIKKEI NET(日経ネット):米新聞3位トリビューンが破産法申請 傘下のカブスは対象外
これがアメリカでの新たなメディア再編の契機となるかどうか。
で、日本では朝日新聞が中間決算で100億円超の赤字決算だったり、地方紙の夕刊廃止や新聞代値上げなど日本での状況を予測していたかのように、週刊ダイヤモンドが12/6号で『新聞・テレビ複合不況』を特集しています。
ダイヤモンドは昨年も9月22日号で『新聞没落』という特集を掲載し、関係者には飛ぶように売れたとか。
今だけ委員長の独りごと: 新聞ネタの特集を組むと売れまくる週刊誌
この間もFACTAで迫り来る「新聞経営」危機が掲載されていました。いろんな意味で凋落ぶりがもてはやされていますね。
新聞業界だけでなく、つながりの深いテレビ業界も含めて細かいところまで取材されているなーという印象持ちました。
「メディア融合でフジが日経に秋波」とかはほえーという感じ。
「新聞社の今冬ボーナス回答状況」とか「民放114局経営苦境度ランキング」はすごい。圧巻です。
新聞だけたたくのはもう他にもやられてるので、テレビもいっしょにたたいちゃうとテレビ業界の人にも売れたりするんだろうなあ。
「広告収入の大幅な落ち込み」「高すぎる人件費(給料もらいすぎ)」「癒着の温床・記者クラブ」「押し紙問題」「記事・番組の陳腐化」などがやはり衰退の原因としてあげられているのは、過去の同類の特集からぬきんでるほどのものではなかったです。
アメリカのメディアが迎えているような厳しい状況がこないかぎり、新しい局面はみえてこないのでしょうか。
要は読まれる・見られるものをお客さんに提供すればいいだけの話なんですが(新聞・テレビ業界の話ね)、どちらの業界も顧客と直接向き合う商売してないですからね。小難しく考える必要は何もなくて、過去の成功体験からどれだけ離れて『決断』ができるかということかと。
現状は、今の延長線上にゴールを描いておきながら、それをないことにしてあーでもないこーでもないと小さな試みを繰り返しているだけのような気がするな。
下手な考え休むに似たり。昔の人はいいこというな。
受け手である一般の人たちから冷ややかに見られていることにもう少し気づかないと。
あとは、現状否定は誰でもできるけど、その先のイノベーション(というほどでもないのかもしれないけど)は、既得権益・ビジネスモデルを捨てる覚悟で望まないとほんとに死ぬぞってのを業界の中の人、特に上に立つ人がどのくらい考えてあげられるかだと思うなあ。