タイトルと著者名につられたかなあ。思っていたよりも真面目な内容だった。
過去のネットでの炎上や事件を通して、ウェブと社会の関わり、あり方を考える内容。
社会学の学者や用語がわりと出てくるので、そっち方面にある程度知識があるとより理解が深まりそう。掲示板やブログで「炎上」を経験した(攻撃した・された)人にはさらに実感を持って読めるのでは。
ネットをテレビのように受動的に使っている人には敷居が高いというか実感がわかないだろう。
インターネットの特徴を「可視化」と「つながり」という2つの概念で考察し、過去の事象を説明、梅田望夫のようなオプティミズムではなく、距離を適切にとりながらもネットを「希望として共有するために本書を執筆した」と結んでいる。
参考文献であげられている書籍がとても参考になりそうなものばかり。
いくつか持ってるものもあったので目を通してみるか。
《目次》
1章 ウェブ炎上とは何か(日常化したインターネット、注目を集める「web2.0」 ほか)
2章 サイバーカスケードを分析する(デイリー・ミーとエコーチェンバー、エコーチェンバーがもたらす分極化 ほか)
3章 ウェブ社会の新たな問題(イラク人質事件へのバッシング、「自作自演説」というハイパーリアリティ ほか)
4章 ウェブ社会はどこへ行く?(サイバーカスケードの功罪、ネットがもたらす過剰性 ほか)