『ヤフー・トピックスの作り方』

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半ば興味半分で手に取った本だったけど、期待してなかった分、いい意味で裏切られました。
現場の人の話ってやっぱりおもしろい!

ポータルサイトはどこもニュースコンテンツを扱ってるけど、影響力ではヤフーが圧倒的。
編集基準もオールドメディアの香りを醸し出しつつも、マスメディアではできていないユーザー視点のサイト作りが支持されているのでしょうか。
著者の奥村さん、読売新聞出身なこともあって、スタンダードなジャーナリズムを書籍全体を通じて訴えているところが、意外だと感じました。
炎上すらもマーケティングの手法として使われるくらい、いかにコストをかけずに注目を集めるかがニュースサイトの運営のコツみたいなことが語られている昨今では逆に新鮮に読めてしまいました。


111ページから5ページを割いて、琉球新報と普天間移設問題のことをとりあげていることも評価を高くした要素の1つ。
2009年11月8日に宜野湾海浜公園屋外劇場で開かれた「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」をとりあげ、琉球新報が紙でテレビ欄をつぶしてまで大きく扱った県民大会が、ヤフートピックスでトップページに掲出したにもかかわらず、その日のアクセスランキングは下から数えた方が早い結果に終わったことについて書かれています。
ヤフー・トピックスの編集部の力量をもってしても、読まれるニュースと読まれないニュースの傾向を変化させることはできなかったのですね。

「普天間」県内を拒否 県民大会で民意発信 – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

自ら取材して記事を書くことはないニュースサイトの中の人がこうもニュースについて熱く書いているのを見ると、どっちがあるべきニュースの見せ方・読ませ方なのかわからなくなってきますねw

ニュースサイトに携わっている人、個人であってもニュースサイトやってる人には示唆に富むところが大きい1冊だと思います。

《目次》
1章 トピックスの作り方(トピックス編集部の一日トピックスの原点 ほか)
2章 13文字の作り方(なぜ13文字なのか?編集者と読者の対話)
3章 コソボは独立しなかった(グラデーションをかける閲覧数 ほか)
4章 既存メディア、ネットメディアとの関係(変わるニュースの概念ニュースの本来的な価値 ほか)
5章 トピックスに載るニュース載らないニュース(トピックスに取り上げられるには関連サイトに取り上げられるには)

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