タイトルから雑学うんちく系の内容を勝手に想像して、読みながら悶絶してました。
雑学よりもむしろきちんとした歴史を検証する姿勢を本書を通して感じたのですが、読んでる自分が琉球・沖縄の歴史を思ったほど知らないなあと。
「読み替え」や復姓がブームというか問題としてとらえられていた当時から今をみたらどう映るんだろうねえ。高校野球で悲願を達成し、ゴルフでは世界レベルのプレイヤーを輩出し、エンターテイメントの世界でも沖縄出身の人なんて全然特別じゃなくなった。独特の苗字がむしろセールスポイントにすらなっているような。
そういう風に感じている人間からすると、当時の苗字に対する考え方というのは想像を絶するものがあるわけでして。漂う悲壮感がすごく痛々しいんだけど、あえて資料に基づいてまじめに実証していこうという硬派な本でありました。
『沖縄苗字のヒミツ』 独特な名前の歴史に迫る – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース
《目次》
第一章 苗字の歴史
第一節 日本の苗字の歴史
第二節 沖縄の苗字の歴史
第二章 沖縄苗字の足跡
第一節 近代の苗字
第二節 ミヤグスクvsミヤギ
第三節 「読み替え」をめぐる社会と人々
第三章 苗字改造計画案
第一節 北大東島からの提案
第二節 復姓のお作法
第三節 沖縄学の苗字へのアプローチ
第四章 さまよえる沖縄苗字
第一節 どうなる沖縄の苗字
第二節 沖縄の苗字をめぐる知識人
第三節 「読み難い姓名改姓座談会」
第四節 苗字の変更 二つの選択
第五章 「鉄の暴風」が沖縄苗字に残したもの
第一節 戸籍からの解放、その代償
第二節 「キンジョウ」大発生
追記(2011/08/03 15:09):
amazonでは売っていません。私はジュンク堂那覇店で買いました。ボーダーインクさんのネット書店で通販やってます。