『将棋[観る将になれるかな]会議』

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8101Yd+3sML『将棋[観る将になれるかな]会議』を読了。
前作の『将棋「初段になれるかな」会議』も読んでいて、おもしろかったので、出たら買おうと思ってました。挿絵のさくらはな。さんの絵がとてもよいです。

将棋を勉強するようになると持ち時間の長いプロの対局でも見れるようになれてしまいます。関心なかったころは、「こんな動きがない映像ずっと見てる人いるんか」くらいの無関心でしたけど、変われば変わるものですね。

AbemaTVの将棋チャンネルでこれはと思う対局をよく見ています。解説があればいいですが、解説なしの中継もままあるんですよね。対局の映像だけだとなかなかつらいので、将棋連盟ライブ中継アプリを併用しています。そこで流れている棋譜を解析にかけたり、解説に書かれた手順を読んだりしながらだと、楽しんで見られますね。ただ、解説で出てくる将棋用語は意味がわからないものに出会うことがままあります。

2019/07/08は第32期竜王戦決勝トーナメントの木村一基九段対佐藤天彦九段戦を見てましたが、87手目で佐藤九段が▲4五歩と指したところの解説文で「後手のほうが玉が薄いので、神経は使いそうだ。一方の先手は攻めが切れて、姿焼きに気をつけなければいけない。」と書かれていたんですよね。

「姿焼き」ってなんだと思ってググったらちゃんと説明がありましたよ。

自玉の囲いが手付かずで安全だが、攻めが完全に切れてしまった状態。穴熊で攻めが切れてしまった時、良く使われる。将棋タウン

由来までは書かれてなかったですが、角換わり腰掛け銀で局面が進んで、木村九段が徹底的に手待ちしてる間に佐藤九段が穴熊を選択したのですよね。この対局は木村九段が勝ちました。

将棋見てると前提知識があることになっていて進行することがたびたびあるので、級位者はついていくのが大変ですが、わかることが増えていくのもそれはそれで楽しいものです。

プロ棋士の対局を見ることについての疑問は、ほぼほぼカバーされているのではないでしょうか。より深く掘り下げて見られるようにアドバイスを送っているのが本書です。

175ページと普通の新書より短いのでいつのまにか読み終わってた感じでした。将棋をちゃんと勉強しようと思い始めた人におすすめです。観る将育てるの大事。

以下、長いですが目次。

 第1章 「棋風」って何? 〜将棋番組のわからないことば その1〜

「棋風」って何?/「受けの棋風」の人は「面倒を見る」のが嫌にならない人/「藤井システム」は藤井猛がいなければ生まれなかった/「居飛車の本格派」って何?/規格外の佐藤康光、山崎隆之、糸谷哲郎/棒銀だけで勝てるの?/棋士のニックネームについて/所属を「関西」に変える人がいるのはなぜ?/なぜ北海道には棋士が多いのか?/なぜすべての棋士には師匠がいるのか?/双子で同時プロデビューの棋士/伝説のイケメン棋士

第2章 「味がいい」ってどういう意味? 〜将棋番組のわからないことば その2〜

「さばく」/「格調が高い」/「ねじりあい」/「手厚い」/「嫌味をつける」/「余す」 /「味がいい」

第3章 なぜ「竜王戦」と「名人戦」は特別か? 〜タイトル戦について〜

違いがいまひとつわからない「将棋の八大タイトル戦」/なぜ「竜王戦」と「名人戦」は特別か?/21歳で名人になった谷川浩司/なぜB級1組は13人?/棋士人生をかけて順位戦を戦っている/竜王戦と名人戦、どちらが格上?/名人は江戸時代に生まれた/実力制名人を決断した関根金次郎/竜王戦の歴史は、名人戦よりもある意味長い?/叡王戦 かつては勝者がコンピュータソフトと対戦/王位戦 紅白のリーグに分けて予選を行う/王座戦 羽生善治が19連覇 /棋王戦 予選ベスト4以上で敗者復活がある/大阪王勝杯王将戦 予選を勝ち抜くのがとても難しい/ヒューリック杯棋聖戦 かつては年に2回行われていた/その他の棋戦〜将棋はなぜ畳に座ってやるのか?〜 

第4章 「女流棋士」と「棋士」はどう違う? 〜安食総子女流初段インタビュー〜

最初の女流棋士は6人だった/安食総子女流初段に聞く「女流棋士になるまで」/両親同伴のもと師匠と対局/育成会に入る前日に四間飛車を習う/なぜ女流棋士には振り飛車が多いのか/全員参加のリーグ戦がない/対局時にはバナナを持参/「話すのが遅い」と注意されて……/谷川先生は、下調べがすごいんです/これからの目標は棋力向上

第5章 対局に遅れたらどうなるの? 〜気になるあれこれ〜

盤を離れているとき、何をしているの?/対局のときに持っていくもの/対局に遅れたらどうなるの?/駒はどんな順番で並べてもいいの?/なぜ指導対局では駒を落とすの?/将棋のイベントには、どんなものがあるの?/藤井聡太七段は、どれくらい強いの? 


 

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