って、当たり前ですよね。気がついていれば誰でも本能的に危険回避しようとしますし。成功するかどうかにかかわらず。
クローズアップ現代 NHK 見過ごされてきた危険~エスカレーター事故の衝撃~
神奈川県内のスーパーでエスカレーターの手すりとアクリル製保護板の間に頭部を挟まれた小学生の男の子が意識不明の重体になった事故が10/16にありましたが、あのとき流れていたニュースでは事故のイメージがほとんどわかなかった私にはうってつけの内容でした。
大学による実験で、頭部に見立てた発泡スチロールがエスカレーターと保護板に挟まれて破裂したり、子供用のゴム製サンダルがエスカレーターに巻き込まれてねじれてしまうなどの場面を実際にみることができ、これが自分の子どもだったら…と恐怖をあおられる場面満載です。
エスカレーターに乗る機会のあるお子さんがいる親御さんにかなりおすすめ。
コメンテーターで出てくる工学院大学・畑村洋太郎教授って「失敗学のすすめ」の人だったんですね。
「法律のとおり手すり下20cmまで板の長さがあってもあまり結果には影響しなかったんじゃないか」という発言がなかなか衝撃でした。
「保護板の手すり下の長さが問題なのではなく、手すりと保護板のすき間にものが挟まらないようにすることが大事だ」ともいってました。
よく利用しているスーパーにもエスカレーターそばに「子どものサンダル巻き込み事故が増えているので注意」という張り紙があって、いつみてもそのイメージがわかない。で、これもやはり実証実験の場面をみてなるほどと思いました。
最近よくみかけるクロックスのようなサンダル(クロックスのサンダルで事故が起きやすいということでは決してありません。念のため)でも、わずか5mmくらいのすき間に挟まれてねじれて回転してました。それでもエスカレーターは緊急停止はしません。
県外だとエスカレーターの片側をあけて乗るのが当たり前というか暗黙の了解になっていますが、それは空いている方を急いでいる人が歩いていけるようにあえてそうしてますよね。
でもエスカレーターってそもそも乗る人が歩くことを想定した構造にはなっていないそうです。
けがをした子どもの多くがエスカレーターの左側に立っていたことも初めて知りました。
子どもを連れている親ならなおさら、急いでいる人に迷惑をかけないよう、自分の子どもを左へ左へと押しやってしまうのではないでしょうか。私も実際そうだったし。
国谷アナの「歩いて乗ってはいけないことを人々が知らないことがそもそも危険では」との問いに、「片側をあけて乗る使い方はみんなが便利に使っているだけだ。歩かないでくださいとか歩かないことになっていますという法律やメーカーの規則・仕様をそのままにしていることがむしろ危険な状態を作り出しているのでは。実情をふまえた運用や規則に見直すことが大事じゃないか」という発言はとてもうなずけます。
過去に起きた事故の年表をみながら国谷アナが「これだけの事故が起こっていて、実際の事例もあるのになぜ対策が放置されてきたのか」との発言には、「決まりを守ればいいとか決まりを守ることが大事なんだと決めつけてしまって、実情を顧みず形式的な運用・規則でやろうとする風潮が危険の一番の本質ではないか」との畑村教授らしい答え。
いろんな分野にあてはまりそうな気がして納得はしたものの、自分を振り返ってちょっと怖くなった。
保護板長さ基準以下 平塚のエスカレーター事故(産経新聞) – Yahoo!ニュース
このニュースからは↑のような考え方にはなかなかなれないですよ。そこまで深く読めますかね、一般的に。だいたいどのニュースもこんな感じでした。
「エスカレーターに3歳足はさまれる また東芝製」事件です‐事件ニュース:イザ!
これにいたっては「メーカーがどこかってほんとに事故と関係あると思ってる?」と勘ぐりたくもなります。リンク先がどれも産経なのは偶然です。
平塚のエスカレーター事故:男児、回復できょう退院 /神奈川(毎日新聞) – Yahoo!ニュース
事故にあった男の子、無事だったんですね。よかったよかった。